将来に病気になった時に、幹細胞を適合組織に培養して治療しようとする試みが現実的になってきた。いままである「骨髄細胞」「IPS細胞」などに加え歯髄細胞が有力な細胞になる可能性がでてきた。交通事故による脊椎の損傷や脳梗塞、パーキンソン病など、治療の難しいけがや病気の治療の一つとして、今、「再生医療」の利用が期待されています。「再生医療」は私たちがもともと持つ組織や臓器を修復・再生する能力を利用して、ケガや病気で組織や臓器が冒された場合に、幹細胞という細胞の元を使って、形や機能を元通りに再生する最新の医療技術です。歯髄細胞は、採取できる量・時期・部位が限られています。将来、再生医療に有効に活用するためには、細胞の量をある程度増やし、整った環境で長期保存をする必要があります。抜いた親知らずや抜けた乳歯から採取した歯髄細胞を培養し、大切に保管する「歯髄細胞バンク」の運営を行なう施設ができました。自分自身や家族、兄弟が、将来、大きなケガや病気にならないとは限りません。万が一に備えて、自分のため、家族のために歯髄細胞バンクを利用する時代が来たという感じです