銀座の並木通り・みゆき通りを散策しました。「心地よい街並み」はどこからくるのか?ひとつひとつの建物がしっかり建設されているというのも理由かもしれませんが、全体(街並み)として調和がとれていることによって、圧迫感のすくない街並みと緑の多さが「いい感じ」をだしているのかなと感じました。銀座では、明治5年の銀座大火の後に策定された「銀座煉瓦街計画」において「通路の広さと建物の高さ」という、いわゆる「ヒューマン・スケール的な」考えに基づいた規定が設けられ、高さの揃った統一的な街並みの形成が意図されていたようです。
この「銀座ルール」と言われているのもですが、、有名な建築家である芦原義信先生は「道幅(D)と建物の高さ(H)の関係について、D/H=1のとき、高さと幅との間に或る均整が存在」すると述べておられます。現在、銀座通りの幅員は約27mであり、通りに並ぶ建物の高さは概ね30mのものが多い。道幅(D)と高さ(H)の比率であるD/Hは、約27m/30m=0.9となり、この値に近いことが分かります。
2003年に、松坂屋と森ビルが都市再生特別措置法を活用して高さ170mの大規模再開発計画を公表したとき、大きなニュースになりました。銀座の老舗の経営者の多くは56m以上の超高層建築物を望まなかったからです。昔から住んでいる人々は、街路幅員と建物高さの関係のバランスが、銀座らしさを表す、「指標」の一つとして認識・継続すべきことを銀座の人々が認識していたことだと思われます。今後は「銀座」といえども「大規模開発」の名のもとに「あちこちで高層ビル」が立ち並ぶ街並みになるかもしれませんが・・せめてみゆき通り、並木通りは昔のままに「いい雰囲気の街並み」を保存していって欲しいと願うばかりです。